異世界風土記さまツイキャス朗読会の開催に感謝して、記念の短編「海鼠《うみねずみ》」を公開しました。パスワード制で、朗読会の中でパスワードを公開しています。
お読みくださり、拍手や♡、コメントをくださった皆様、ありがとうございました。
朗読会にリアルタイムでは参加できなかった方で、お聴きになりたい、「海鼠」のパスワードも知りたいと思ってくださる方は、異世界風土記さまのツイキャスのライブ履歴から録音データが利用できますので、よかったらぜひ。
詳しくはカクヨムの近況ノートでのご案内をご覧ください。全7回分の録音データへのリンクを掲載しています。
「海鼠」のパスワードは最終回、第7回のコメントの終わりの方でお伝えしています。
https://twitcasting.tv/fudokift/movie/727465722
↑の動画の▶︎の再生ボタンを押すと、コメントのログも順に表示されていきます。
この時期の続きには、拍手コメントへのお返事を書いています。
04/09 07:38 ひどいです!
でもイルスの境遇がさらにわかって嬉しいです。 新作ありがとうございました!
さっそく読んでいただき、嬉しかったです。パスワード制限つきなので、面倒くさくて誰も読んでくれないかとビビりまくりでした😭
「月と星のカルテット」は学院編のあたり、暗く陰鬱な雰囲気のエピソードが多いです。主人公たちも、人質になって死ぬかも……というお先真っ暗な感じなので、明るく生きられるわけもないですが、「海鼠」のイルスは海都サウザスから追放されているよな気分でいますし、そこから人質として敵国に送られるのですから、明るかったら逆に怖い、という状況です。
それにしても暗かったです。またこんな暗くて悲しい話を書いてしまいました!
でもこれがカルテットだな……という快感もあり、久しぶりにイルスが登場して嬉しかったです。読者様にも久しぶりに彼に会ってもらうことができ、嬉しいことでした。次はまた学院編のトルレッキオで皆様とお会いしたいものです。
04/11 23:25 象って、てっきり玩具の象とか象の絵のことかと思ったら、箱に入った謎の動物で、びっくりしました。姿なき海鼠も気になりますが、この『象』も、すごく気になります! なにか草食の、毛の生えた外国の動物なんてすね? その舶来の珍獣が箱の中で既に死んでいるというところが、また、カルテットらしい薄暗さで良かったです。
コメントありがとうございます。
「海鼠」は異世界風土記さまのツイキャス記念に書きましたので、風土記系要素をもりもり増量しようと思い、ウミネズミと象という、この世界独自の架空の生き物を登場させました。
ウミネズミは湾岸にいる生き物でしたが、象のほうは第四大陸にはいない、別の大陸からきた生き物という設定です。生態系が違うので、残念ながら長くは生きられませんでした。
それが、住み慣れた故郷から引き離され、一人で異境に行くイルスと重なるな……という物語でしたが、イルスは割とそっけなかったですね。もし死後の世界のどこかで象に会ったら「お前も大変だったな」と言ってやろうかなって、そういう受け止め方でした。彼にとっては、象の子の私は、可哀想だなって思うような他人事ではなく、自分の問題だったのだと作者は思いますが、殊更に嘆くようなことじゃないっていうのは、イルスの少年らしい強がりでしょうか。
そんな気持ちで書きましたけど、読者様には違う読解があったかもしれません。それを感想などで作者にもシェアしていいただけると、空想が拡がって嬉しいです。
ところでこの象、一応、作品に登場しない部分も設定しました。レノンの息子が飼っていたのは、子供の象で、箱の中で飼うと大きくならないので、箱から出さずに育てます。もしこれを広大な大草原で飼うと、年々巨大になっていくはずです。とても長生きする生き物ではないかと思いますが、それ以上は詳しく設定していないので、作者にとっても謎に包まれています。いずれ調査隊を派遣する日も来るでしょうか。
この生き物がいるおかげで、今後は作中で遠慮なく「象牙のような」って書けます。スィグルの肌の色のことを、湾岸から来たイルスが「象牙のような色」と思うのは、地方色のある描写ということに。それもまた拙作らしい表現かと思いますので嬉しいです。
パスワードロック解除の手間をかけてお読みくださり、ありがとうございました。