自作Web小説広報のためのイラスト発注計画についての覚書(4)

自作Web小説の表紙イラストを発注する際の準備作業の経過記録です。
その1その2その3と準備して、今回はその4。先方にお渡しするためのキャラクターなどの設定資料を作成する段階です。

今回は拙作「カルテット」の表紙&SNS等での広報用イラストレーションということでお願いすることにしますので、表紙に描いていただく登場人物、「カルテット」の場合は四人の主人公ということに仮にいたします。

私の過去の経験上、絵に描かれるキャラクターの人数は、絵の価格と関連しています。それは一般的なことで、今回もそうだろうと思います。

人物が一人や二人の絵よりも、十五人でてくる絵のほうか、依頼料は高値になるという理解でよいかと思いますが、それは受注する絵師さんの個々の取り決めにもよるので、初期の価格交渉の時点でよく相談する感じかと思います。価格決定後に「一人増やして」とか「減らして」というのは原則無しです。描き直しになっちゃいますからね。それはまた別の新規の発注をしたのと同じことになってしまいます。

それで、おおまかな絵の内容が決まりましたら、そこに描いていただく人物なり舞台なり、絵で表現してもらいたい作品の狙いなどを伝える作業に入るのですが、大変! わかります!? 自分の作品の狙い!?

「作者なら分かれよ」っていうような事ですが、「なんか書きたいから……」てな、ゆる~いノリで「カルテット」書いてたんです、私は。なんか考えて書いてたような気もしてたけど、いざそれを他人様に端的にお伝えしますよってなると、「な、なんだっけ……」ってなります。なりませんか!? なりますって!!(説得口調)

それでとりあえず設定資料づくりのための下準備作業をします。資料のための資料ですね。

WorldTypeを利用させてもらおうと当初思ったんですが、項目が細かくて、めんどくさ……すみません。私のような雑な人間には使いこなせへんツールやった。

普通にGoogleドキュメントで作りました。インターネット上でテキスト書類を書いたり、必要に応じて特定のアカウントの人と共有したり、webページのように一般公開したりできるオンラインツールです。説明いらなかったですね……。

Web小説「カルテット」設定資料(Googleドキュメント

これをもとに必要そうな情報(登場人物の容姿など)だけの別書類を作成し、絵の交渉に使いましたが、これはこれで作品のサブコンテンツとしてありかなと思うので、残しておきます。

世界設定を作るオンラインツールもいたれりつくせりで便利なのですが、そのサービスが永続するとも限りません。Web上で作成したものは、印刷しておくほうがいいのでしょうね。

さて。設定資料はできました。

それとは別に、どのサイズのどんな用途の絵が欲しいのかも伝えないといけません。具体的にどこで使いたいのかです。小説投稿サイトの書影画像か、Twitterで宣伝ツイートするときの添付画像なのか、それとも紙の同人誌の表紙に使う印刷用の絵なのか。それによって絵の仕様も違うので、当たり前ですが、バナー用で発注した絵と同じものを、同人誌の表紙にもしたいなぁ……って、絵が描けてから言うのは無理です。

描くキャラの人数でもですが、絵のサイズでも依頼料は違うので、あらかじめ最初に決定しておかないといけません。描いてもらってから絵を見て決めますって訳にいかないです。

私は「カルテット」を印刷するつもりがないので、今回はWebページや電子書籍の表紙イラストとして画面に表示する画像として描いていただくつもりです。あくまでもオンノベ(Web小説)用の絵ということですね。

そして、電子書籍出版サイト「パブー」で絵を使用する想定としました。それとTwitterでの宣伝用です。先々は他のWeb小説投稿サイトへの転載の可能性も考えつつですが、まずは電子本にします。

その結論になったのは、オンノベ(Web小説)投稿サイトでの表紙イラストや挿絵などの画像を表示する機能の乏しさが理由です。書影画像があってもバナーサイズで、絵として鑑賞する感じとは違いましたし、挿絵や関連画像を表示する機能を併設しているところでも、その絵を誰がアップロードするのか。アップロードした絵がその後どういう形式で表示されるのかが、絵の著作権や使用権を守るという観点では不整備で、まだちょっと無理かなという気もしました。自分で描いた絵なら「とりあえず気にせずいっとけ」みたいな面もありますが、買い取ったとはいっても絵は他人様の作品なので。

とはいえ、そもそもその投稿サイトでの作品演出として絵が欲しいって話なので、そこで展示できないというのでは、本末転倒しますが、それはまた今後の課題とします。とにかく「まだ早い」とささやくのよ、私のゴーストが!(これまだ通じます?)

というわでパブーでの画像の推奨サイズです。

縦:1024px、横:724pxで、画像形式はgif、jpeg、png

以前、拙作「月下世界紀行」から「河を渡る」という一作をパブーで電子本にしてみたことがあり、その際に塩さんに表紙イラストを描いていただきました。それを実物の表示見本として参考にしたいと思います。(美しい絵です)

「河を渡る」月下世界紀行

PC版の画面表示です。(Mac・Safari)

パブーで他の作品といっしょに一覧される場合の表示はこんな感じです。

専用のサムネイル画像を用意する必要はなく、表紙が自動的に縮小されます。

スマホ版の表示。(iOS/Safari)

そして、パブーには電子書籍を、閲覧アプリKindleに転送する機能がありまして、それでiPhone版のKindleに「河を渡る」を転送してみたものがあります。

Kindle表示画面(iPhone版)

背景色がクリーム色の画面は、ユーザー設定で好きな画面色が選べるので、私の目に優しい色合いに設定した結果です。デフォルトでは白地です。(右画像)

このような形で、「カルテット」の表紙イラストも表示できたらいいなと思います。

あまり縁起のいい話じゃないですが、将来、作者が耄碌してきましたら(今もすでに割としてますが;)、作者死亡で作品データやサイトが放置になる前に、全部消してから去りたいなという心づもりでいますので、その後も作品が読めるほうがいいなという有り難い読者さん向けに、ダウンロードできる形式で作品を公開させてもらって、それをお手元に残してもらう形で、いわゆるオンライン版は最終的には消そうと思っています。それは「カルテット」に限らず自分の全作品について同じです。

そのためには電子書籍という形式はとてもいいですね。ePubファイルを読者さんにDLして持っておいてもらえばいいんですもんね。オンノベ(Web小説)の形式は、読みやすいですが、あくまでもネット上のデータを直に読むもので、ダウンロードしやすいとは言えません。

そのような考えもあって、電子書籍版に着手したらいいかなと思っています。まあ当分、死ぬ予定ないんですけどね。でも若いうちに作業しておかないと、もっと本格的に老いたらできなくなりそうなんですもん。

さて今後どのような結果になりますか?

この続きのご報告は、次回、お願いした絵が仕上がって、私が電子書籍版「カルテット 学院編」の公開告知を皆様にさせていただく時になるかと思います。お楽しみに! 私もとても楽しみです。