Web小説の朗読動画作成プロジェクトとコエステーション

Web小説朗読動画であなたもユーチューバーになろう的な話の続きです。
(前回のあらすじ:中1長女に「Web小説も音読してYouTubeにUPしてくれたら読んでもいいかもと言われて「はあ!?」ってなった母シドウカオル。とりあえずやってみる)

とりあえずなので、作業的にどれくらい無理なのか、iPhoneアプリのみ使用でオンノベ朗読動画が作れるのか、やってみました。

使用アプリは読み上げ「ゆっくり棒読みトーク」と、それと連携できる同一作者様の動画編集アプリ動画はむぅ。時間制限なしで動画編集/スライド/ビデオです。動画はむぅ、インターフェイスもめっちゃゆるくて「がんばらなくてええで」みたいなのが、いいなと思いました。椎堂さん、全くがんばれへんから。

棒読みトークは、テキストデータを読み上げ動画にしてくれるアプリですが、画面表示がアプリ名固定で個体識別がつかないので、動画はむぅで動画内容にふさわしい画像と合成して、何の動画なのか分かるようにする目的で使います。

最近、拙作「月下世界紀行」に第五作「世界の果て」を書きまして、これがとても都合よく短い1400字程度の完結掌編ですので、これを動画にしてみました。詳しくは、こちらの本館の告知記事に書きましたが、第五作には943文字に縮めた縮約版があります。短いほうを動画にしてみます。

gekka05_all

全文音読したものです。943文字ですと、棒読みアプリで全文まとめて一気に朗読データを自動作成できました。便利〜。

だけど、やっぱり耳で聞くだけでは意味の理解がしんどい気がしまして。見る見ないは別としても、文字データの画面表示はあったほうがいいだろうというのが自分で見た感想でした。

それで簡易的に文字データのページを画面表示しながら音読するバージョンを作ってみました。

gekka05_01

こちらはブログのアップロード容量の都合で作品の冒頭1ページ分だけです。

スマホ向けの縦画面だし、文字はちょっと小さかったかもしれません。1ページの文字数ももっと少ないほうがよかったな……などなど改善点だらけですが、試作版としては機能するかと思います。

作ってみた感想としては「やばいなこれ……簡単にできるな……」という事でした。動画スキル皆無のオンノベ書きの私でも、特にこれといった機材も資金もなくても、朗読動画が作れるやんか。(私には無理ですって言えない時代)

多少の手間暇はかかりますが、作品のサービス充実とか、読んでもらう機会の拡大を目指す人は、やってみてもいいのかもしれないですね。

と、いうのは、この作業自体がけっこう楽しいですし(手間は食いますが)、これを作ることで読者数が一人も増えず、誰も動画を見なかったとしても、「自分が楽しい」という趣味としての自己満足は得られますので、突き詰めれば究極は自己満足の世界であるWeb小説の分野では「楽しいは正義」であるかもしれないなと思ったんです。

作品の一部でも、全文でも、Web小説書きの皆様は、試しにやってみられてはどうかと思いました。楽しいですよ。

それに私、家系的に晩年に失明しがちなので、目が見えんようになったらオンノベ読めへんやんという懸案事項を持っておりまして、まだ視覚のあるうちに音読アプリはチェックしておかないとなあと思ってるんですが、作者さんたちが作品の朗読動画を作ってくれて、検索するだけでWeb小説が音読版で楽しめちゃう! っていうご時世になっていけば、アタシが楽、という、自己都合の世界もありまして。

助けると思って、皆さん。朗読動画お試しくださいね。

そういう時期の私みたいな人は、世の中にはたくさんいるんだろうなと、この機会に思いました。小説を耳で読みたいニーズのある読者層。それに気づいたのも、いい機会と思って、細々とですが試していきたいと思います。

自己満足といえば、コエステーションという自分の声をサンプリングして解析し、読み上げ用の合成音声にしてくれる機能も試してみました。

このアプリがどういうものかは、こちらの記事が参考になります。
マジですごい! 自分の声の分身が作れる「コエステーション」を使ってみた

私も自分の声をサンプリングして、声レベル2までやってみました。作成した合成音声を聞いてみましたが、まるで自分が喋ってるようです。すごく似ていて、我が家のGoogleHomeさんに合成音で「オーケーグーグル、明日の天気を教えて」と指示すると、「明日の天気は快晴です」と、ちゃんと答えてくれました。

その声をまんまネットに公開するのってどうなのという疑問もあります。それ皆さん、大丈夫なんでしょうか。まあ大丈夫か。今はまだ。でも将来的に、声紋であれこれ認証したり、ボイスオペレーションで自動車の始動や、ホームアシスタントAIへの全指示が出せるような時代が来たら、自分の声の合成音声データって、管理が大変なものです。どんな時代になっていくんでしょうね?

コエステにはボイスチェンジ機能があり、そっちで遊んでみました。コエステの音声データはダウンロードはできなくて、先方のサーバー上にあるのを参照できるだけです。

椎堂かおるより皆様にごさいさつ(女性の声に加工したもの)

椎堂かおるより皆様にごさいさつ(男性の声に加工したもの)

イヤフォンをお持ちでしたら、私からの「めっちゃ真面目な挨拶」を聞いてみてくださいね。

声を加工できるということは、自分の声データをもとに、架空のキャラクターの声を作成できるということです。その声データの権利は誰のものってことになるのでしょうか? 声の版権て、あるんでしょうか。私その方面には詳しくないんですが、あるでしょうね? 声優さんやアナウンサーさんなど、声が資本の人たちにとっては、自分固有の声データに権利が無いと困るでしょうから。

でも自分の声なら、権利関係の手軽さがあります。加工も自由でしょう。

試しに、水煙のセリフ(白川編)とか。
暁彦。お前はそれでも秋津の跡取りか。そんな鬼など、今すぐここで斬り捨てろ
秋津トヨちゃん(16歳)のセリフとか。
おおきに。うち、秋津トヨと申します。いつもお兄ちゃんがお世話になっております。よろしゅうお頼み申します
コエステの加工声に喋らせてみたんです。

正直いって、キャラ声の専門の人の作品に比べたら、話にならんレベルだわと思うんですが、それでもまあ「無いよりマシ」ですね。「無いほうがマシ」というレベルでもあるけど(笑)、使えるデータとして手元に存在していれば、それを使って一人で寸劇動画とか作ろうと思えば作れる材料が整うということで、広いWeb小説の世界には、そいうものを作る才能も持った人がきっと大勢いるのだろうなと思います。

可能性の広がる話ですね。(私には広がりませんが)

声方面の萌えや造詣がない人間なので、ボカロやボイスロイドのような合成音声方面には手を出したことがないんです。なんかね……なんか、沼じゃない? 沼かな、と思ってですね。すでにいろんな沼にハマっている私には、危険すぎやなという動物的なカンが働いて、まだ一切手出ししてないんですが。面白そうですね。

欲しがりません、脱稿までは。

でも棒読みちゃんのサイトなどを見ていて、「面白そう〜」と思ってました。大昔に仕事で、声オペレーションや合成音声の超絶黎明期にちょっとだけ関わったことがあって、「こんなに立派に育って……」という、誰やねんてレベルの遠い親戚のババアみたいな気持ちになります。

近年、様々な技術がめざましく急激に発展して、ほんとにキラキラまぶしく希望に満ち溢れた時代に見えます。いいことですね。